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映画 横溝正史シリーズ

女王蜂 映画(1978年)

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「女王蜂」です。こちらの作品も有名でドラマ化と映画化どちらもされており、どちらを紹介するか悩みましたが、今回も映画の方です。映画の公開は1978年です。映画としては、4作目にあたり、その過去の作品に出ていた豪華三大女優の高峰三枝子、岸恵子、司葉子さんが出演です。この映画のタイトルは「女王蜂」ですが、すでに女王様が並んでいます。よくもまあ、「蜂の巣をつついた状態」にならなかったものです。

「女王蜂」と聞いて何を想像されるでしょうか?家にあっては「母」、結婚しては「嫁」、老いては「娘」の現在の「三従」のごとき響きを感じます。「渡る世間に 女王蜂」でもありますが…。

なお、紹介するのは”映画”の方です。今回も映画版を選んだのは、やはり映画版の方が、重く、暗く、豪華な印象があるからです。ちなみにテレビ版連続ドラマは全3回の放送でした。

映画の原作

横溝正史さんです。監督も映画版の定番”市川崑監督”です。連載は、1951年です。昭和にすると昭和26年です。まだ、十分に戦後と言う表現でも大丈夫な頃です。そのため、本作品の内容も戦前戦後の世情を反映している内容です。

映画キャスト

金田一耕助 (石坂浩二)

どうも優秀な人は、少し抜けているところがあるのが良いという風潮を固定化した作品の一つかと思います。

大道寺銀蔵 (仲代達矢)

この頃の映画事情だと思いますが、仲代さん本人が冒頭から学ランを着た大学生を演じておられています。演技力は十分な方ですが、少し無理が…。しかし、さすが仲代さんです。強めの眼力を活かした演技が所々に見受けられます。セリフではなく、眼での演技です。さすが名優さんです。

大道寺智子 (中井貴恵)

この作品の時は新人です。しかも、将来を嘱望された大型新人。当時の紹介は、「松竹のスター”佐田啓二”の娘、中井貴恵」です。今であれば、「中井貴一の姉」になるところです。

等々力警部 (加藤武)

映画なので、私のお気に入りの日和警部ではなく、等々力警部です。しかし、この方の”早とちり”も既に定番化しています。前回の”早とちり”の反省が一切ないところが素敵です。手を打つシーンは、どなたの記憶にも残っているところかと思います。

神尾秀子 (岸恵子)

大道寺智子の家庭教師で、その母親から大道寺家に居る方です。

お富 (草笛光子)

この方も大女優なのですが、他の方に押され気味です。しかも横溝正史シリーズによく出ているにも関わらず、登場シーンが短めです。

東小路隆子 (高峰三枝子)

威圧感、いえ存在感がすごいです。気品がにじみ出ています。

概要です

「月琴の里」にある源頼朝の末裔のいわれがある大道寺家です。そこに住む一人娘の大道寺智子、求婚者三名と怪しすぎる青年1名です。大道寺家にある時計台で連続殺人事件の幕開けです。

でも、大切な鍵はお墓の穴の中にあるとは、思いませんでした…。「月琴の里」と京都を舞台に物語が進行します。豪華な女優陣です。

映画のあらすじ

大道寺智子を京都に連れてくるために向かう、大道寺銀蔵が三人の婚約者候補を連れて向かった月琴の里にある大道寺家の家。

しかし、その場所は19年前、銀蔵が大学生の頃に親友と訪れていた場所で、そして当時の起こった智子の父(親友)の転落死事件が…。

連続殺人事件に、19年前のことが影響しているのか?金田一が調査を始めます。でも、真相はもっと深く、古いものです。

映画の展開現場

月琴の里 大道寺家の邸宅

時計台があるお屋敷です。高知県で野良時計を見たことがありますが、こちらはだれのために作られた時計なのでしょう?

大道寺銀蔵 京都の邸宅

月琴の里の家とは異なり、京風の長屋のような趣がある邸宅です。智子や神尾先生も同居できる家なのでそれなりのお屋敷かと思われますが、映像からの印象は少し狭そうです。

東小路家主催野点会場

京都のお寺さんでしょうか?素敵なお庭で野点です。無粋な犯人です!お寺さんで殺人事件を起こすとは!

(余談です)テレビ版連続ドラマ

テレビ版連続ドラマについても少し触れておきます。大道寺家があるのは映画では「月琴の里」ですが、ドラマは原作通り「月琴の島」です。場所や登場人物、設定から異なるので、内容も大小にわたり異なる点が多いです。

ちなみに、主人公「大道寺智子」はテレビでは「片平なぎさ」さんです。まだ、初々しいころの時分ですが、この作品の初登場シーンは、海に面する断崖絶壁の上です!この頃から2時間ドラマの女王です。「女王蜂」に出演が決まった時から女王になる運命だったようです。もちろん、最後のシーンも崖の上です。

まとめ

ベテラン女優さんの中、新人の中井貴恵さんは大変だったと思います。新人のためか、他の方々のプレシャーか不明ですが緊張感が伝わってきます。

大女優さんが多く出ているので、その方々で女王の座を奪い合う映画かと思いましたが、全く違います。普通に横溝正史ものです。

ちなみに、前段の仲代達矢さんのところでも触れましたが、この頃の作品は映画・テレビ共に、学生から老年までかなりの年齢層を演じることが求められています。当時の視聴者がそれを受け入れていたかは微妙ですが…、でもこうしていただければ、回想シーンで誰の昔の話か簡単にわかるメリットはあります。

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