病院坂の首縊りの家　映画（１９７９年）

「病院坂の首縊りの家」です。「びょういんさかのくびくくりのいえ」と読みます。「縊」はなかなか変換してくれません！

横溝シリーズの映画版、市川崑監督と石坂浩二の金田一耕助、黄金コンビの映画になります。

映画の原作

１９７５年に連載され、２部構成の長編推理小説です。この映画作品には、かなりの変更が加えられているようですが、横溝正史さん自身がこの映画にも出演されていることから、特にご不満はなかったものと思われます。

映画キャスト

金田一耕助　（石坂浩二）

映画で金田一耕助を演じるのはこれが最後です。自身の小さいころの話が文字から語られいます。それによると、貧しかったそうです。そのおかげか、周りに助けれれる人柄が形成されたのかもしれません。

等々力警部　（加藤武）

映画版金田一耕助の盟友です。とぼけたキャラクターは全作共通です。

本條徳兵衛

今で言うところの総合結婚式場を計画する先見の明がある写真屋さん。金田一さんに自身の安全を図ることを目的に調査を依頼。

法眼弥生　（佐久間良子）

この作品のタイトル「病院坂の首縊りの家」の「家」は法眼寺家の所有する病院です。

日夏黙太郎　（草刈正雄）

今ではベテラン俳優ですが、若かりし草刈正雄さんです。金田一耕助の初の役に立つ助手です。

方眼由香里・山内小雪　（桜田淳子）

見事に2役を演技分けておられてのですが、今回の設定上…。

山内冬子　（萩尾みどり）

境遇の不遇さを好演されていたのですが、ご関係は？

加納巡査　（大滝秀治）

さすが、名優さんです。定年間近の警察官にしか見えません！

雨宮じゅん　（草笛光子）

誰が演じても良いような役を、この人でないといけないような演技でした。

概要です

映画版の金田一耕助作品の５作目です。写真館の背景は、ロールスクリーンです！空き家の電気は、東電です。いえ、盗電でした。

昭和２１年に起きた首つり自殺で、名門法眼家の邸宅名が「首縊りの家」と呼ばれます。今まで横溝シリーズでの現場は、今何と呼ばれていることでしょう？連続殺人事件が起きた家が何軒あったことでしょうか？

今回も人間関係が複雑に絡み合っています。相関図が必要なことは製作者も思われたようで、劇中で相関図が示されています。私は、その相関図を巻き戻して、何回も確認してようやく理解で起案したが、名前と俳優さんが結びつくのにも時間がかかります。これが理解できて初めてヒントになるのですが、理解できていないと最後まで分かりにくいです。ちなみに、私の理解が正しいのかが分からないのが、困りものです。

さらに、今回も若いころの再現が俳優さん本人が演じる映画です。俳優業も大変そうです。

映画あらすじ

米軍のキャンプを廻る音楽グループが山内兄弟の故郷に到着です。その故郷で連続殺人事件です。

金田一耕助は、渡米準備に写真館へ向かいます。その写真館は、地元で古くから営業しているところです。その写真館に、女性が結婚写真の撮影場所を告げずに出張を依頼します。案内人についていくと場所は「病院坂の首縊りの家」です。部屋に入ると新郎新婦と金屏風そして何故か「風鈴」です。違和感あふれる新婦の姿に驚きながらも新郎に促され、写真撮影です。そして、また写真撮影の依頼が…、そこから連続殺人事件です。人力車で移動する法眼寺家の奥様、美輪明宏さんが映じていれば「ハウルの動く…」。

映画の展開現場

映画の設定では、奈良県吉野市を舞台にしています。吉野と言えば桜が有名です。場所的には、川沿いの山間部のイメージです。そのため、「坂」よりも「山」の方が似合う場所のような気が…。

病院坂の由来となった法眼寺病院兼自宅

坂道にある病院です。空襲で焼けたそうで、設定では無人の空き家で、痛みも激しい場所です。

現在の法眼寺病院兼自宅

病院の横に自宅です。古民家の風貌で中二階があります。THE日本家屋です。奥様ご愛用の人力車が似合います。

山内兄弟の仮の住処　倉庫

町はずれの廃墟にある倉庫？駐車場に中二階がある程度ですが、事件の匂いが感じられる場所です。是非、この場所に”小林昭二”さんに登場してもらいたかったです！（ほぼ、仮面ライダー）

まとめ

「病院坂の首縊りの家」の家を中心に、過去の事件が絡まりながら連続殺人事件が発生します。

１３９分の映画ですが、人間関係と連続殺人事件の原因などの説明があると時間が短いです。ちなみに、一度見てから２回見れば、少し違和感を感じた演技が伏線になっていたことが分かります。伏線と言えば、「風鈴」です。意味ありげに登場してきたので、何かあると感じなるかと思いましたが、そうでしたか…。２度見の成果です！

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