主演「菅田将暉」演じる天才数学者です。現在上映中の映画「ミステリと言う勿れ」が重なる作品です。私的には、菅田将暉のイメージが重なっているような気がします。
内なる熱さを秘めて、外見はクール。頭脳明晰、没頭型の天才役が共通しているように感じます。クール=冷たいを感じさせない、ユーモアも持ち合わせています。もっとも”笑わす”ではなく、”笑える”ですが…。
2019年公開の129分の作品です。
紹介内容です
映画の原作
原作は、「三田紀房(みたのりふさ)」さん漫画家です。他には「ドラゴン桜」などの作品も作られています。
作風から「かわぐちかいじ」さん(沈黙の艦隊原作者)の作品かと思いましたが、間違っていました。
映画キャスト
櫂直 (菅田将暉)
主演です。東大理学部数学科の大学生で、尾崎財閥の書生役で天才数学者です。山本五十六の航空空母主力の構想に協力して、戦争回避を目的に戦艦大和建造阻止への協力をする。しかし、能力を持つ方は、やはり使いたいみたいです。評判は「西の湯川、東の櫂」だそうですが、数学の計算の時に一瞬ですが、「湯川学」の方が浮かびました…。
尾崎鏡子 (浜辺美波)
「あな膵」以来、心優しい意志の強い女性役を演じる女優さんです。どんな場面に登場しても、季節は春を感じさせてくれます。戦争を描いていても、一息つくことができます。
永野修身 (國村隼)
海軍大将、山本五十六と共に航空空母主力派。官僚型組織のトップ役に必要不可欠な國村さんです。でも、どこかのセリフに「温かさ」を感じさせる場面がある方です。
山本五十六 (舘ひろし)
「先見の明」がある方の評価は、現在以降の過去の評価になるものです。この作品では、最後の天才役でしょうか?
平山忠道 (田中珉)
造船中将です。さすがに船づくりに精通されており、舵を切るのが速いです。目的を達成する設計図造りも卓越した能力をお持ちのようです。
大里清 (笑福亭鶴瓶)
尾崎財閥の旧下請け。大阪のイメージを代表するのはやはり、鶴瓶、さんまさんになるのでしょうか?岡田准一さんや他にも大阪出身の美形の俳優さんも多く…、多少は存在するのですが…。
概要です
冒頭のシーンは、戦艦大和の最後の戦いの場面から始まります。しかし、こちらの作品は「戦争映画」ではありません。
「戦艦大和」に代表される巨大戦艦と航空機主導の「航空空母」のどちらの建造を優先するか、派閥抗争です。後に登場する「大里清(笑福亭鶴瓶)」の経済と言う選択肢は、そこにはありません。
映画の最初に出てきた「戦艦大和」の建造を阻止することを目的に天才数学者「菅田将暉」演じる「櫂直」の数学による証明です。
映画あらすじ
時は昭和8年です。日清、日露戦争や第一次世界大戦の戦勝気分の中、第二次世界大戦前夜です。
海軍では、主力艦の建造論議が始まっています。いつの世も、財政難です。建造費で建造計画を検討しています。
巨大戦艦建造に掛かる費用に疑問が…、天才数学の登場です。巻き尺一つで、出来るところから始めます。私であれば、諦めます。それを諦めないところが天才たるゆえんでしょうか?
目的を達しようとする熱量はかなりのものです。その熱は周りにも伝わります。天才といえども、一人では完結できません。
そのような中、迎える決定会議です。なぜ、冒頭のシーンにあの場面だったのか?そうでしたか…。
映画の展開現場
海軍省 (法務省旧本館)
西洋と戦争をしようとする時にレンガ作りの西洋館です。文字で伝えようとすれば無理がありますが、迎賓館のような…、建物です。東京にある法務省の建物で戦火で焼失し、再建されているそうです。現在は、法務統合研究所や公安審査委員会等で使用されているようです。場所は、警察ドラマでおなじみの警視庁本部の向かい側になります。ちなみに、重要文化財です。
まとめ
天才数学者”櫂直”。どうしても、天才は正義であり、その才能を正しく使ってほしい願望があります。しかし、天才が求めるものは、必ずしも正義を求めているのではなく、その才能が必要とされる場所なのでしょうか?才能は、使われて、評価されて初めて認められます。また、二人の人間が正面から向き合えば、お互いの右手は逆側にあります。立ち位置により、ものの見方も変わります。”正しい事”は絶えず、未来にしか存在しないようです。別の見方ができる天才が必要なようです。真の天才は、平山忠道(田中珉)造船中将でしょうか?でも、山本五十六(舘ひろし)になるでしょうか?
なぜ、山本五十六は”櫂直”に航空空母の設計を依頼しなかったのでしょうか?…、いけません!依頼すべきは商船設計でした。もっとも、人のあらゆる才能を一つの方向に集約することを”戦争”と言うような気もします。
某湾岸刑事映画の名台詞になぞらえれば、「戦争は現場で起きるのではなく、会議室で起きるもの」でしょうか?
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