大河ドラマ「光る君へ」第４０話　「君を置きて」一条天皇の最後に詠まれた歌から

２０２４年NHK大河ドラマ「光る君へ」１０月２０日放送の第４０話です。

今回タイトルは「君を置きて」です。 この回の気になったところを紹介します。

今回の気になるポイントは、「君とは誰」で「どこに置きて」です。

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源氏物語、品評会？査問会？

今回も「源氏物語」を帝と中宮、親王、左大臣の参加する源氏物語の読み聞かせ？開催です。

当時のスタイルかも知れませんが、作者も参加することを見れば、現在の作家であれば、全員が辞退したいような場です。内容が悪ければ、ほぼ次回も続きも無いことの決定権がある人達の前です。

しかも、登場人物の考えを聞く、登場人物の想いを聞く、今後の展開等、恐ろしい内容の場です。

さすがに、彰子中宮が救いの手を差し伸べていますが、この様な状態でよく「源氏物語」が完成したものと感心します。

藤壺と光る君

敦康親王がこだわる「藤壺と光る君の関係」です。道長までも口を出し、一条天皇に珍しい事と言われます。物語の登場人物の想いやこれからに関することを作者に直接聞くことが出来るのも贅沢なことかもしれません。紫式部もさすがに、言葉を濁しすだけですが、NHKであれば、「特別な絆」と説明していたと思います！

不実の罪は必ず己に帰ってくる？

参加している全員が、沈黙です。参加者それぞれに道長に対して思う事が沢山あるようです。私も同様に、どの時のどの事？多すぎて結論が出ません。

一条天皇「道長がそのような～」で、収拾できましたが、現代関西弁に翻訳すれば、「お前が言うな！」でしょう。

一条天皇　体調を崩す

私出れば、体調よりも先に精神が崩れます。周囲に味方になる者がおらず過ごしている中、左大臣は着々と多数派工作をしているのを見ている他はできません。残すところは彰子中宮ですが…。

大江匡衡、何を？

赤染衛門の夫です。以前は和歌を詠んでいたのですが、今回は急に陰陽師のように易をしています。聞かれてもいない、「崩御」の言葉まで伝えます。この遣り取りが、有能な官僚らしく感じます。

君を置きて　意味

出典は一条天皇の遺した歌です。この時代を知る資料行成の「権紀」と道長の「御堂関白記」が有名ですが、下記は「権紀」からです。

「露の身の　風の宿りに　君を置きて　家を出でぬる　ことぞ悲しき」

「御堂関白記」では下記の通りです。

「露の身の　草の宿りに　君を置きて　家を出でぬる　ことをこそ思へ」

赤の部分に相違があります。当時の歌は文字ではなく、言葉で詠んでいたことから相違があるようです。劇中でも、聞き取りにくかったです。なお大河では「風」でしたので行成を採用されたようです。

なお、道長は今回のタイトル「君を置きて」の君は「彰子中宮」と理解し、行成は「定子皇后」と理解しているそうです。

歌＝５・７・５・７・７と理解している私からすれば、行成の方に理があり、今回のタイトル部分も「君置きて」の方がスッキリとするのですが…。

現代語訳です

「露のようにはかない身を　かりそめの宿である現世に　あなたを遺して出家する　ことは悲しい」です。（”草”の部分が”仮”のものもあります。）

なお、一般的には、道長解釈が採用されているようです。

「君」とは？

前回も描かれていた一条天皇の最大の悩み事は次期東宮です。敦康親王（定子の子）か敦成親王（彰子の子）かです。

一条天皇の崩御は定子皇后の後です。彰子中宮には、実父道長が居ます。やはり気になる残す「露の身の」君は「敦康親王」でしょう。

「置きて」どこに？

東宮御所になると思います。一時の宿から天皇となり御所へ移動する人。東宮です。東宮となり、２代後の天皇になる事を望んだ父としての一条天皇の遺された歌にふさわしいと思うのですが…。

一条天皇の愛読書「源氏物語」より

賢木の巻で光源氏から紫の上に贈られた歌に「浅茅生の　露のやどりに　君”を”置きて　四方の嵐ぞ　静心なき」があり、返歌は「風吹けば　まつぞ乱るる　色変はる　浅茅が露に　かかるささがに」と言うものがあります。参考にされた可能性を感じます。それにしても「”を”」が気になる。

結局のところ

あくまでも、私であればです。

「後継問題である次期東宮を自らの意志と反して敦成親王にしたが、意中の敦康親王の事（足場固めが出来ず）を遺して先立つこと、鵜湯のような立場のまま残してしまうのは、悲しい」と敦康親王の事を託す思いで、彰子中宮にお願いした歌のような気がします。

彰子中宮、激怒！

彰子中宮激怒です。どちらの親に似たのでしょうか？激怒の様子を見る限りでは、母倫子似のように感じました。

さて、激怒の理由は、「次期東宮の敦成親王に決定したこと」ですが、彰子中宮の想いは、どうだったのでしょうか？

彰子中宮の参内時の自らの境遇と重ね、養育し、一条天皇の希望だった敦康親王、自らの産んだ子、敦成親王。彰子中宮の激怒は、自らを重ねた敦康親王と次期東宮決定で彰子中宮が見捨てられたのが、共に2度目の事だった事だったような気が悲しく、一条天皇の想いが達せられなかった事が激怒の原因と思われます。

母としては、くらべることはできない事かと思います。しかし、やはりそこは母親でしょうか？自分自身と自分の子供のどちらかを選ぶのであれば、多くの母親は自分の子供を優先するかと思います。

自分自身である敦康親王よりも最後は自分の子敦成親王が次期東宮で納得できないまでも、受け入れるしかなかったようです。

道長の手練手管？

公卿たちを前に「譲位の準備」の意見を聞く

すでに、自分の方針を決めたうえで、意見を聞きます。自分の考えを通すために、どのような方法で実施するかを考える時間が出来ます。すでに左大臣ですので、普通であれば、方針を言いそうなものですが、威力偵察のような手段さすがです。

会議の人数

会議の参加者は全部で８名。内、４名は四納言で道長と旧知の仲、道長の義理の兄と実資、右大臣と道長の構成です。多数決であれば、過半数を得ています。例え行成が棄権しても安泰です。

またも、男子会

すでに、次期東宮問題での会合２回目です。参加者も開催趣旨を了解しています。

道長の会議開催の趣旨は、次期東宮問題決定のゴーサインでしょうか？各自で役割分担をして、速やかに進めよ。でした。参加者も皆心得ています。

たまには、撃沈！

道長、東宮の元に日程調整です。東宮から娘に会って帰るように言われ、立ち寄ると、娘が高級品の大量買いです。

思わず小言を言う道長ですが、娘が返す言葉は、敦明親王に嫁ぎたかったです…。道長にそれ程長い時間は、待っていられません。

いつも、貧乏くじ

いつもの行成です。肝心なところで大役が回ってきます。だからこそ道長もこの職を行成に任せたのでしょうが…。

次期東宮について、一条天皇が想いを告げますが、行成がやんわりと反対意見を述べます。神に向かって、人智を越えた事とまで言及します。道長からは感謝されますが、一条天皇の背中に注がれていた視線は辛かったことと思います。

敦康親王、次期東宮決定前後

敦康親王は、一条天皇の体調不良から自らの行く末も心配しています。

隆家と清少納言　決定前

敦康親王として、一条天皇に万が一のことがあれば、頼れるのは隆家？頼りたいのは彰子中宮でしょう。清少納言は、火に油を注ぐ発言ですが、描かれている様子からは、水に油を注ぎ、分離しているように感じます。どうも、清少納言を見ていると言うよりも、ファーストサマーウイカさんを見ているような気が…。

隆家と清少納言　決定後

隆家の「無念でございます」からです。脩子内親王「われらの宿命なのだ」が続きます。穏やかに生きていくことを決めている三人。納得のいかない清少納言です。

紫式部、誰も居ない？

前回、弟惟規が亡くなり、もはや紫式部が気兼ねなく話せる相手は居なくなっています。たまに来るのは道長くらいでしょうか？挙句の果てには、次期東宮継嗣問題について宮の宣旨に話しかけます。

確かに、後宮の人たちは皆、寂しい境遇かもしれません。こう思えば、敦康親王と彰子中宮との想いも分かるような気がします。

双寿丸？

後半で取って付けたような展開です。完全に「散楽の直秀」が重なります。

もはや、前回に伊周と惟規が亡くなったので、美形の追加起用としか思い及びませんが、設定としては、隆家の家来の平家の家来の設定です。貴族では無いので、さわやかさも期待です。

まとめ

道長の想いを実現するために今までしてきたこと、これからすべきことが明確になってきているように感じます。

明確になるという事は、軋轢も明確になり始めています。道長の覚悟が問われる展開になりそうです。道長の覚悟に最後まで付き合えるのが紫式部であって欲しいと願っていますが、若い世代の台頭も気になる今日この頃です。それにしても、”いと”の元気な姿が見えて、一安心です。

次週の放送時間変更

大河ドラマ「光る君へ」次回放送１０月２７日（日）は、衆院議員選挙の関係で、放送時間が地上波では、午後７時１０分から７時５５分に変更されています。衛星放送は変更ありません。

※本ページの情報は２０２４年１０月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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