三度目の殺人　どこで見れる　映画（２０１７年）

「三度目の殺人」です。「検察の見立」が話題になったことがりましたが、三者三様の「見立て」が裁判所にはあるようです。主人公も三名です。「三」が全体のキーワードになるのでしょうか？

映画の脚本

監督の是枝裕和監督の脚本です。リーガルミステリーになります。

映画キャスト

基本的には、弁護士・被告・被害者娘の三人が主演であり、判事・検事・弁護士の三者が主題でしょうか？それぞれの”器”が演じられています。

重盛朋章　（福山雅治）

主演、弁護士です。家庭は娘一人で、離婚調停中。

この方の”器”は、法廷戦術重視に迷わず判断ができているが、三隅の影響を受け始める。十字架の元に居る事には気が付くが、すでに十字架の上に居る。皮肉なことに、重盛の父は裁判官、息子の重盛朋章と三隅も判事をあこがれていました。

三隅高司　（役所広司）

被告人です。過去に１度目の強盗殺人事件で有罪判決を受けています。今回で２度目の強盗殺人事件の被告です。「金目的」、「保険金殺人」、「無罪」と三転します。

この方の”器は”他人の想いを受け入れる。受け入れてしまう方のようです。借金被害者、弁護士、週刊誌記者、今回の被害者…。かなりの器の大きさです。

山中咲江　（広瀬すず）

三隅による２度目の強盗殺人事件の被害者の娘です。影のある役ですが、光ります。

概要です

こちらの作品は、明確な結論が提示されていません。そのため、厳密には、「ネタばれ」は不可能かと思います。そのため、こちらの作品を紹介するものは、各自の解釈しかないものと思います。

こちらの作品で描いたのは、「裁判所」、「事実・正義」と「十字架」を三重のらせん階段にして、それらを重森の想像が繋いでいます。

「裁判所」とは、器でしょうか？裁判官・検察・弁護士・被告・被害者の異なる思惑と主張をなんでも受け入れる”器”でも、そこには「事実・正義」はありません。

「事実・正義」とは、「戦争は正義が１つの時起きるのではなく、２つの時に起きる」と昔聞いたことがあります。当時者であれ、傍観者であれ、その立場で「事実・正義」は異なります。そのため各自の”器”にどの「事実・正義」を入れるかで立場は異なります。

そして、「十字架」です。今回の使用方法としては、「十字架＝裁き」でしょうか？十字架の元で裁かれる？河川敷の被害者、重盛の想像の雪原風景（重盛は大の字で抵抗？）、重盛の電線と十字路…。

この様なややこしい中、「重森の想像」が理解することを妨げます。やはり、この作品には理解ではなく、どの目線で見るかが問われているように感じます。それぞれの”器”はそれぞれの”十字架”があるようです。

映画あらすじ

それぞれの「事実・正義」が右往左往、入り乱れています。

一旦、それはさて置き、あらすじです。

冒頭から、三隅の殺人事件の再現です。こちらの殺人事件の被告弁護を重盛が担当します。

被告三隅は、正直に答えますが、いつも受動的です。そのため主張が、時と場合で変わります。

重盛達は、法廷戦術的に有利であれば、その主張に従い、変更します。そのため、裁判の争点も変わっていきます。”器”は中に入れるもの次第で変わるものですから。

そして、裁判員制度の第１審の判決を終え、三隅が咲江の十字架からの解放をディスチャーで伝えます。

映画の展開現場

三隅による２度目の強盗殺人事件現場

河川敷です。十字架の燃え跡が残る場所です。

三隅の自宅

アパートです。刑務所暮らし３０年。整理整頓ができています。カナリアの大きなカゴがあり、庭にはその鳥のお墓、十字架があります。

重盛の想像での雪原

重盛・三隅・咲江の”３”人で雪遊びです。二人はすでに十字架を背負っていますが、重盛は大の字で現在は、大丈夫そうです。

まとめ

こちらの作品は伏線が多く、伏線回収がされません。タイトルの「三度目の殺人」ですが、通常は三隅の死刑確定を三度目と理解するのが順当かと思います。しかしタイトル自体も伏線であれば、ラストのシーンでは、天を仰ぐ重盛、天には電線で描かれた「十字架」、さらにその足元は「十字路」です。三度目の殺人は、まだ発生せずに重盛に引き継がれた？すでにレールはひかれています。この場合は、伏線回収するとすれば「司法制度の三度目の十字架」でしょうか？

「事実・正義」とは自分と向き合う事で答えは出ません。

”器”が”器”と向き合っても、答えは出ないから…。

しかし、この作品で明白なのは、「１度見ても分からない」ことでしょうか？

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