「戦国鳥獣戯画」です。タイトルからすでに内容をうかがい知ることも可能ですが、改めて紹介します。
感想です。「大好きです!」皆さんがご存じの「鳥獣戯画」が動きます。少し復習ですが、本来の「鳥獣戯画」は、京都市の右京区高尾三山の一つ、「高山寺」に所蔵されている絵巻物です。日本史の教科書で動物が描かれた巻物の写真を記憶されている方が多いと思います。ちなみに、これが「日本最古の漫画とも言われているとか、言われていないとか…(視聴していただければ、意味が分かります)」。本物の方は、甲巻から丁巻まであったようです。この作品もそれにちなんでか、甲・乙の2部構成です。
現代に蘇ってきた「鳥獣」が戦国時代の武将たちに扮して動きます!「アニメ」ですから…。
紹介内容です
アニメの脚本・キャラクターデザイン
脚本は「熊本浩武」と「土屋亮一」さんのお二人です。熊本さんは、元芸人、土屋さんは大学卒業以降脚本業をされている方々です。
キャラクターデザインは、「ニイルセン」さんです。しっかりと日本の方です。とぼけた作風は、美大の存在を知らずに高校を卒業されているところからも納得できます。
アニメキャスト・声優
アニメあるあるかもしれませんが、こちらの作品のと登場人物は多いです。放送時間は短いのに…。同じ声優さんが複数の登場人物を演じておられます。
織田信長 (四代目中村橋之助)
豪華な声優キャスティングです。中村芝翫・三田寛子のDNAを受け継ぐ若き歌舞伎役者がしゃべります。歌舞伎の重みが声に宿っています。
オルガンティノ (石井智也)
他にも片倉小十郎や真田昌幸などもされています。普通に見ていれば、同じ方だとは分かりません。私の耳が悪いのではなく、声優さんの実力です!
語り (林原めぐみ)
年齢のためか、私には「壇蜜」さんの声に聞こえていましたが、こちらの方、エヴァの「綾波」さんでした。作品の軽くなるところを重石のように、グッと抑えてくれるトーンで笑いを誘いながら物語を締めてくれています。さすがは、ベテラン声優さんです。
概要です
京都の祇園祭を「動く歴史絵巻」と言われることもありますが、こちらも本当に「動く歴史絵巻」です。しかも、描いている時代が戦国時代!しかも、時にはミュージカル調音楽絵巻の描き方をするなど欲張りなあアニメです。
鳥獣戯画ベースですが、戦国武将を動物に見事にマッチされています。豊臣秀吉は猿、徳川家慶は狸、織田信長は…。どの動物が誰かは作品中でテロップが出ますが、一瞬です。でも、誰かは大体わかる設定にされています。
最大の特徴としては、放送時間1話3分です。甲編13話と乙編13話で合計26話、78分ですので楽しめるk時間は1時間18分です。見終えると、続編は?となります。
アニメあらすじ
1話3分の完結作品です。そのため、だらだらと描いていれば、1話はすぐに終わります。そこで重要になるのがタイトルです。有名なシーンを切り取り作品にされているので、本かテレビを見ていれば分かる歴史上の出来事を再現してくれます。
しかし、製作上の都合でしょうか?歴史順には制作されていません。そのため歴史的順序は前後していますが、十分に楽しいです。
代表的な内容を紹介です。
甲編1話 見せたいもの
登場人物:織田信長、豊臣秀吉、徳川家康等
織田信長が使用したことで、有名な武器、火縄銃です。その見せたいもの、と言うよりその見せ方が信長です。見事に3分で収めて、楽しめました。
甲編13話 お正月
登場人物:織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、森蘭丸
こちらも織田信長で有名なシーンです。こちらの回は、タイトルでは分かりにくいです。どちらかと言えば「触って触って何んでしょう?」です。信長のヒントが、怖いです。それにしても秀吉の返しが、さすがです。
乙編1話 鶴の汁
登場人物:織田信長、前田利家、徳川家康、森蘭丸
ミュージカル調音楽絵巻作品です。なるほど、絵巻に音楽は最適です。新しい発見ができました。流れる音楽、哀愁も流れています。
乙編13話 本能寺の変
登場人物:織田信長、前田利家、森蘭丸
天下を取ることを「天下布武る」と言い切るところもすごい、シリーズ最後もミュージカル調音楽絵巻作品です。
この回を見れば、自然と涙が流れている自分に気づくことができます。感動のラストです。もう、「髷が曲がって もげるほどに」!
でっ、どんな炎?
アニメの展開現場
基本的には1話完結ですので、1話に登場する展開場面は1か所です。しかも、その場所が分かりやすいです。場所をアニメ画面上に表示してくれています。しかも、「落款印」(朱印)です。とても作風にマッチして情緒を感じます。
まとめ
発想がとても面白いです。戦国時代のアニメは今までにも数多く存在していましたが、それを鳥獣戯画風に動画にし、声優さんの声もなにか飄々として、短い3分間に沢山の想いが詰め込まれているように感じます。
作画の面白さと、それに負けない内容の面白さが素敵です!
1話3分なので、いっき見ることもできますが、見てしまうのがもったいないです。出来れば、数日に分割して楽しんでください。
この作品は、こちらで視聴可能です。
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