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映画 横溝正史シリーズ

「悪魔の手鞠唄」 映画

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「悪魔の手鞠唄」です。私のイメージですが、「悪魔」は洋物で、「手鞠唄」は和物です。和洋折衷のストーリーかと思いましたが、洋風テイストは感じられず純和風です!

当時の撮影現場も人気が出たようです。今で言うところの「聖地巡礼」です。呼び方こそ違いますが、することはいつの時代も同じです。

映画の原作

横溝正史原作です。1957年に連作された長編推理小説で順番的には「悪魔がきたりて笛を吹く」の次の作品ですので、横溝正史さんに「悪魔」がマイブームだったのかも知れません。それにしても、人気作家の方は大変です。この頃は、作品を量産されています。映画公開時期の日本は、高度成長期を終え、経済的にも安定している頃で、公開年度の興行成績も好調でした。

映画キャスト

金田一耕助(石坂浩二)

映画版ですので、石坂浩二さんです。

青池リカ(岸惠子)

上品な演技が多い女優さんです。今回は、亀の湯の女将です。

磯川警部(若山富三郎)

存在感では、間違いなく主演です。

別所千恵(仁科明子)

娘さんの役です。年頃も丁度かと思います。都会で成功を収めて、故郷に錦です。都会感が出ています。

由良敦子(草笛光子)

金田一耕助シリーズの常連です。由良家の女当主です。

村上五郎(大和田獏)

まだ、新人の頃のだと思われます。セリフこそありましたが、出番は少なめです。このような時期も遇ったという記念作品です。

権堂医師(大滝秀次)

この方も金田一耕助シリーズの常連です。この方の出演シーンは、この方が主演になる印象があります。病人に言い放つ「寝れば治る」は医師の鑑です!問題は、寝れないような病気の時ぐらいでしょうか?

由良五百子(原ひさ子)

「おばーちゃん」の中の「おばーちゃん」です。「おばーちゃん」のデフォルトです。もはや、演じておられるのか、そのままの素なのか不明です。童謡を歌うシーンは、かわいらしさが漂っています。

概要です

「悪魔の手鞠唄」は昭和52年4月公開で「犬神家の一族」からの2作目です。3作目が昭和52年8月公開の「獄門島」で大体ですが半年に1作のペースで量産されている頃の映画になります。ビデオこそ普及していませんでしたが、テレビは普及していた頃にも関わらず、かなりのハイペースに制作されていた人気の映画シリーズ第2作目です。

今回の舞台となる場所は、岡山県にある「鬼首村」(おにこべむら)です。私的には、この名前が出てきたときに、この名前が連続殺人事件に何らかの形で関係するのかとずっーと気にしていましたが…。なお、この村にも当時の日本には「屋号」と言うものがあり、使用していました。今回は、登場人物意外にも屋号も覚えておく必要があります。この手の推理小説に多いですが、噂話にはヒントがあるので聞き逃さないようにして下さい!

映画あらすじ

昔の地主である多々良放庵さん、結婚歴8人の強者です。羨ましい限りですが、放蕩三昧で散財し、斜陽の名家の由良家(桝屋:屋号)と新興名家仁礼家(秤屋)があり、勢力争いをするその両家には年頃の娘さんがいます。青池家の息子をその娘さん達が取り合います!連続になるか同派は別として、殺人事件に発展しそうな動機です…。

鬼首村の名前の由来は、さて置き。金田一耕助は、20年前(昭和6年)の顔を焼かれて識別しにくい遺体の殺人事件を解決するべく呼ばれるところから始まります。珍しく連続殺人事件が始まる前からアリバイ造りがあります。準備周到です。

小さい村ですので、若い人達は仲良しです。特に同級生の4人(里子、千恵、泰子、文子)は大の仲良しです。そこに村に帰ってくる別所千恵(4人組のうちの1人)ですが、それを契機にするように連続殺人事件が始まります。

この連続殺人事件の見立ては「手鞠唄」です。由良家のおばーちゃんの歌う手鞠唄ですが、およそ子供の手鞠唄に似つかわしくないような唄です。舌切り雀などの物語も残忍とも言えるのですが…。印象に残るのは、4人の娘さんが手鞠唄を歌いながら鞠で遊んでいるシーンです。着物姿と白塗りが可愛いような、怖いような…。

映画の展開現場

亀の湯旅館

青池の営む温泉宿です。温泉のシーンがあるのですが、本当に気になる良さげな温泉です。鄙びた感が素敵です。

由良家の邸宅

おばーちゃんが歌う「手鞠唄」は、こちらの自宅で歌われます。

仁礼家の邸宅

葡萄酒造りを営む現在の有力者の家。

まとめ

温泉宿「亀の湯」の温泉(磯川警部が落ちた温泉)はかなり魅力的です。でも、凄惨な連続殺人事件が発生した鬼首村です。本来であれば、近寄りたくも無いのですが、興味は惹かれます。興味を引くのは他にもあります。映画の冒頭に出てくる「オート三輪」のオープンカーです。単にトラックかも知れませんが、大和田獏さんが乗るとオープンカーです!

今回の連続殺人事件の見立ては、「手鞠唄」でした。童謡にも昔話にも、よく考えれば怖いものが意外と多いです。今回のものも意味を知らずに歌っていたものの一つでしょうか?

今回の金田一耕助さんのセリフの中に「犯罪者は必ずへまをする」と言うものがありました。金田一耕助も連続殺人事件が全て済むまで”へま”の連続なのですが…。もっとも、これを考えれば楽しく見れません!

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